不登校

不登校について

不登校不登校は、法律上は「何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって、児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)」と定義されています。また文部科学省では、不登校児童生徒を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的理由による者を除いたもの」としています。

現在、不登校の児童生徒(小・中学生)数は16万人を超えています(文部科学省の2018年度の調査による)。原因としては友人関係、教師との関係、学業不振など学校に起因するものが多く、いくつもの原因が組み合わさった「複合」型が増加しています。さらに近年では、学習障害やADHDなどの発達障害も、不登校の要因のひとつではないかと考えられています。

この不登校は、児童精神科の分野で最も多い相談と言えるでしょう。保護者の方など周囲では、なぜ不登校になったのか原因がわからない場合も多く、不安を感じることは当然です。しかし、説得するなどして、むりやり学校に行かせようとすることは逆効果であることが多く、あせらずに、まずは見守って、周囲がみんなで考え、接していくことが重要になります。

お子さんの不登校では、朝、頭痛や腹痛、下痢、吐き気などの身体症状が生じ、学校に行きたがらないようになることが多くあります。不登校が続くことで、さらに不安感が高まり、心が不安定になって不眠になったりイライラしたり、さらには次第に無気力になったりという精神症状も現れます。

不安定な状態になると、周囲に対して反抗的、攻撃的な態度をとるようになることもあり、孤立して引きこもってしまったり、コミュニケーションもとりづらくなってしまったりします。さらに不安定な状況が続くと、不安障害・強迫障害・パニック障害などを引き起こすこともありますので注意が必要です。

不登校のお子さんには、まず対話を通したカウンセリング的治療を行っていきますが、なにより重要になるのは周囲の理解です。お子さん本人は、現在の状況を何とか変えて登校したいと思っている場合も多いのですが、保護者の方や学校の先生など周囲の大人からのアプローチには拒否反応を起こしてしまうことも少なくありません。

その場合、まずは学校に行くことを目標にするのではなく、不登校の期間を次への充電期間と捉え、家でストレスなく過ごせる時間をとることも大切です。同時に学校の先生にも理解をいただいて連絡を取り合い、情報を共有しておくようにします。いじめなどの友人関係や、勉強の遅れなどに課題があれば、環境を調整していくことも必要で、スクールカウンセラーなどとも相談し、本人が登校しやすくなるようにしていくことも重要です。

家庭ではなるべくコミュニケーションの場を増やし、スマホやゲームなどの時間を減らすなど、生活のリズムを整えていくことが大切です。こうした毎日の生活面に関し、お子さん本人だけではなく、保護者の方にも同時にカウンセリングを行っていきます。うつ病やADHD、不眠症などの症状が認められる場合は、薬による治療を行うことで、改善を図る場合もあります。

一時は不登校であっても、長い目で見ていけば、その後、社会的に出て活躍している人も少なくありません。焦らず、周囲が見守っていくことが不登校のお子さんには大切になります。そのためにも、不安なことはご遠慮なく当院にご相談ください。

 

院長
江里口 陽介
診療内容
児童思春期精神科・精神科・心療内科
住所
〒158-0097
東京都世田谷区用賀4-3-9 MORIYA THREE 2F
アクセス
東急田園都市線「用賀駅」より徒歩1分
03-3708-2500
休診日:水曜、日曜、祝日
:土曜日は14:00~17:00まで
診療時間 日祝
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